こんな意味があったんだ!語源から攻める暗記法

英単語を一気に覚えるためには「語源」に注目するという「語源学習」があります。

今回はその「語源学習」に注目したいと思います。

英語は実は本来は「ラテン語」「フランス語」「ギリシャ語」などの他の言語由来が多いのです。時代とともに言葉も変化し、新たな言葉が生まれてきました。そこで、「もとは一体なんだったのか」に注目することで単語を覚えるのが「語源学習」です。

語源を覚えていると、次第に見たことがない単語が出てきても意味が推測できるようになります。

一般的に英単語は「接頭語+語根(+接尾語)」で成り立っているものが多いです。「語根」というのがいわゆる「語源」です。

【par:見える】

transparent:trans+par+ent

上記のようにtransparentは3つに分解できます。

・transは「接頭語」で「~を超える」
・parは「語根」で「見える」
・entは「接尾語」で「形容詞化」

だからtransparentは「透明な」という意味になります。

apparentはどうでしょうか。

apparent:ap+par+entです。

・apは「接頭語」で「~の方へ」
・parは「語根」で「見える」
・entは「接尾語」で「形容詞化」

だからapparentは「明らかな」という意味になります。

【oper:動く】

cooperateはどうでしょうか。

cooperate:co+oper+ateです。

・coは「接頭語」で「一緒に」
・operは「語根」で「動く」
・ateは「接尾語」で「動詞化」

だから、cooperateは「協力する」という意味になります。

ここからoperateは「手術する、機械を操作する」、operationは「操作、手術」、operatorは「操作係、交換手」になります。

【clude:閉じる】

excludeはどうでしょうか。

exclude:ex+cludeです。

・exは「接頭語」で「外へ」
・cludeは「語根」で「閉じる」

ここから「外へ追い出して閉じる」と考えて、「除外する」という意味が成立します。

また、exclusiveはどうでしょうか。

exclusive:ex+clus+ive

・exは「接頭語」で「外へ」
・clusはcludeと同様「語根」で「閉じる」
・iveは「接尾語」で「形容詞化」

ですから、exclusiveはexcludeの形容詞形で「排他的な」という意味です。

また、includeについてはどうでしょうか。

include:in+cludeです。

・inは「~の内側へ」
・cludeは「語根」で「閉じる」

そのためincludeは「含む」という意味になります。

やや難単語ですが、precludeについてはどうでしょう。

preclude:pre+cludeですね。

・preは「接頭語」で「前の」
・cludeは「語根」で「閉じる」

つまり「前もって閉じる」というところからprecludeは「妨げる、封じる」という意味が出てきます。

【fer:運ぶ】

最後にconferenceについて見ます。

conference:con+fer+ence

・conは「接頭語」で「一緒に」
・ferは「語根」で「運ぶ」
・enceは「接尾語」で「抽象名詞化」

ですからconferenceは「一緒に運ぶ状態」から「会議」という意味になります。

このferはtransferでも生きてきます。

transfer:trans+fer

・transは「接頭語」で「向こう側へ」
・ferは「語根」で「動く」

ですから、transferで「移動する」となります。

接頭語と接尾語が単語の意味を広げる

単語の中には、「接頭語」や「接尾語」がついたものがたくさんあります。これらにはある共通の役割があります。

「接頭語」とは文字通り単語の「あたま(先頭)」につけるものであり、「接尾語」とは単語の「最後」につけるものです。

1. 接頭語の例

pre-、vis-、sur-、over-、bi-・・・

2. 接尾語の例

-tion, -sion, -cial, -tive

それでは上記の例を使って単語の成り立ちについて説明します。

(1) 接頭語pre-

pre-には「前、以前」などのニュアンスがあります。
よくプレテストとか言いますよね。

predict (前もって書く〈dictには「書く」という意味があります)→「予測する、予言する」

prepaid (前もって払う)→「前払いの、プリペイドの」

prescribe (前もって書く)→「(薬などを)処方する」

(2) 接頭語vis-

vis-には「見る」というニュアンスがあります。

vision 「視力、視界、洞察力、映像」

visual 「視覚の」

visible 「目に見える」

visit 「訪問する」

(3) 接頭語spec-

sur-には「上の」というニュアンスがあります。

surface 「表面」

surpass (上に押す)→「上回る」

surpress (上から抑える)→「抑圧する」

surcharge (上回った料金)→「超過料金」

(4) 接頭語over-

over-には「過度に」というニュアンスがあります。

overeat 「食べすぎる」

overlook 「見落とす」

overwhelm  「圧倒する」

overseas 「海外の」

oversleep 「寝過す」

(5) 接頭語bi-

bi-には「2つの」というニュアンスがあります。

bicycle 「自転車」

bilingual 「2ヶ国語を話せる」

bisection 「二等分」

binary 「2つから成る」

ちなみにtri-は「3つの」というニュアンスがあります。

trilingual 「3ヶ国語を話せる」

triangle 「三角形の」

tricycle 「三輪車」

続いて接尾語です。接尾語を覚えておくと、TOEICのPART5の文法問題ではかなり有利に立てます。

なぜならば、4択の選択肢が似ている単語の場合、接頭語を見たたででそれが「名詞」か「形容詞」か「動詞」か「副詞」かが分かるからです。それが判別すれば、(   )にはどんな品詞が入るのかを見分けることさえできれば問題は解けます。たとえば、She was(   )injured.の場合、inuredという過去分詞の前には「副詞」が入ります。

(6) 接尾語-tion, sion

-tionや-sionは「名詞を作る働き」があります。

decide(決心する)→decision(決断・決心)

fascinate(魅惑する)→fascination(魅惑)

possess(所有する)→possession(所有)

transalate(翻訳する)→translation(翻訳)

(7) 接尾語-cial、-tive

-cialや-tiveは「形容詞作る働き」があります。

technology(科学技術)→technological(科学技術の)

race(人種)→racial(人種の)

information(情報)→informative(有益な)

production(生産)→productive(生産的な)

このように英単語にはたくさんの接頭語、接尾語がありますので単語を覚える際には活用すると覚えやすくなります。

少ない量で書いて覚える方法

単語を覚えるとき、可能であればアナログですが「書いて覚える」ことが一番効率が良いです。

しかし、あなたはこんな記憶はありませんか。

1.中学校や高校の時に単語を書く宿題があり面倒だった

2.書いても書いても覚えられない

実は、あなたが今までやっていた書き方は間違っているのかもしれません。

今回は、「たとえ書く量が少なくても確実に覚えられる方法」についてお話します。

1. 単語の書き方について

もし、あなたがcomputer, computer, computer, computer, computer, computer, computer, computer, computer, computerのように、同じ単語を10回連続で書いて覚えようとしているのならば、すぐに辞めてください。

確かに、この書き方だと「繰り返している」のだから覚えているように思います。しかし、これは「覚えた気分」でいるだけです。最初の3個くらいは集中していますが、残りは単なる「手の運動」です。

ですから、今後は次のような書き方をしてください。

computer, keyboard, calender, issue, envelop, computer, keyboard, calender, issue, envelop, computer, keyboard, calender, issue, envelop・・・のように。つまり、違う単語を5個セットで1回ずつ書きながら練習するのです。

こうすることで脳に毎回違う刺激信号が送られ、脳は活性化し、3セット~5セット練習するだけでインプットされます。

日本語はノートの端にでも書いておいて、いつでも見られるようにしておくてださい。

さらに、最初の5個を覚えたら、次の新たな5個を覚えます。

major, minor, cloth, clothes, reference, major, minor, cloth, clothes, reference, major, minor, cloth, clothes, reference, ・・・。

この5個が終わったら、最初に覚えた5個(computer, keyboard, calender, issue, envelop)を1度書いてみてください。つまり、最初の5個をやった後、新たな5個をやり、そして最初の5個に戻る。いったん間を開けることで、脳は必死に思い出そうとします。つまりインプットしたものをアウトプットするように脳は動き始めるのです。実はインプットよりもアウトプットの方が大事で、これを繰り返すことで確実に定着します。

この方法は実は紙に書かなくてもできます。
パソコンでワードやメモ帳を活用してください。キーボードで打つのもアルファベットを書くのも同じようなものですので、書くのは面倒だけどキーボードを打つのが得意、そんな人にはもってこいです。

2. 音読しながら書いて覚える

次に、取り組んでほしいのは「音読しながら書く」ということです。

例えば、clearanceと書くときに、「ク・リ・ア・ラ・ン・ス」声に出しながらc・le・a・ra・n・ceと書くのです。字が下手でも構いません。自分の声に合わせて書くのです。

つまり、目で単語を見て〈視覚〉、声に出して〈聴覚〉、書くのです。体を使って書くのです。脳は刺激が多いほど活発になります。

一番効果的な単語帳の活用方法を知っていますか?

書店に行けば今や無数の単語帳が発売されています。

英検向け、TOEIC向け、TOEFL向け。

これから「英語を勉強して、何か資格を取ろう」と思った時、いったいどの単語帳がいいのでしょうか。そして単語帳の一番効果的な使い方は何でしょうか。その辺りについてまとめてみたいと思います。

2014年12月1日現在、Amazonによるランキングでは次の通りになっています。

1位 新TOEIC TEST 出る単特急 金のフレーズ(朝日新聞出版社)

2位 英検準1級 でる順パス単(旺文社)

3位 英検1級 でる順パス単(旺文社)

4位 英検2級 でる順パス単(旺文社)

5位 新TOEIC TEST 出る順で学ぶボキャブラリー990(講談社)

6位 英検準2級 でる順パス単(旺文社)

7位 TOEICテスト 公式問題で学ぶボキャブラリー(国際ビジネスコミュニケーション協会)

8位 英検3級 でる順パス単(旺文社)

9位 CD付 英検1級 文で覚える単熟語 三訂版(旺文社)

10位 1駅1題 新TOEIC TEST単語特急(朝日新聞出版社)

このランキングだけ見ると、10冊中6冊が英検関連ですね。しかも英検と言えば「旺文社」と言われるほど老舗が占めております。

では、これらのランキングからどのようなことが言えるのでしょうか。

キーワードは3つあります。

1.「出る順」
2.「音声」
3. 「問題や例文で覚える」

では、1つずつ解説していきます。

1. 「出る順」に関して

やはり、忙しい大人にとっては「効率よく」勉強したいものです。「どれを覚えたらいいのか」が明確な「出る順」はその辺り、購買意欲を高めます。「よく出る順番に単語が並んでいるから、直前でも勉強しておけば問題が解ける確率が高くなる」そんな心理をうまく突いているのかもしれません。

2. 「音声」に関して

今や、「音声付」は当たり前の時代になっています。「目で見て、書いて覚える」時代はとうに終わりました。これからは「使える英語」を身に着ける必要があるため、リスニング力やスピーキング力が重要視されます。また、単語を覚える際も音声を通じて覚える方がスピーディーに覚えられます。さらに、音声をiPodなどの機器にダウンロードしておけば、いつでもどこでも聞くことができます。単語の暗記には「繰り返し」が必要なのです。

3.「問題や例文で覚える」

なかなた「単語だけでは覚えられない」という人には「意味のある文の中で、実際に出題されるかもしれない問題を通じて」練習すると覚えやすいという人もたくさんいます。ストーリーがあるからこそ記憶しやすいのです。

では、単語帳はどのように活用すればいいのでしょうか。これから究極の活用方法をお伝えします。

実際は書いて覚える方が良いのですが、時間があまりないビジネスマンにお勧めの方法です。

1.全部の意味を覚えるのではなく、意味を1つだけ覚える。

2.派生語は覚えない。

3.英単語は書かない、その代わり、日本語を覚える。

4.1日30個。1週間のうち5日は覚え、残りの2日は総復習。

5.忘れるのは当たり前。だから、1冊の単語帳を5回繰り返す。

6. 復習のために音声を活用する。

この6つの方法を最低限守って練習をしてください。

さらに余裕がある人は、単語帳と並行して文法や長文系の問題集を活用してください。よく「まずは単語から」と言う人がいますが、そんな人に限って実際の演習量が足りません。

文法や長文と併用することで「見たことがある単語」「思い出せそうで思い出せない単語」にたくさん出会います。それが脳に刺激を与えるのです。すべての勉強はクロスしているのです。