英単語をある程度覚えた学習者には、「似たような意味の単語には一体どのような違いがあるのか」という疑問が湧いてくることがよくあります。つまり、その単語の語法について疑問を持ちます。
1. 語法で見分ける
例えば「~できる」という単語をとりあげましょう。
思いつくだけでも、“can”“be able to”“capable”“possible”があります。
こんな問題があったとしてください。
She is( )of teaching French.
「彼女はフランス語を教えることができます」
ここでは“capable”を入れます。実は“capable”は“be capable of+~ing”で使うというルールがあるからです。
次はどうでしょうか。
She is( able, possible )to speak English.
「彼女は英語を話すことができる」
ここでは“able”を選びます。“possible”は原則として「人を主語にはとれない語」です。ですから、“possible”を使う場合は、“It is possible for her to speak English.”のように、“It is possilbe for A to do ~”を使うのが普通です。
このように、「~できる」という意味の単語をバラバラに覚えていても実際に問題を解くときには、それぞれの「語法」を覚えないといけません。つまり、「似たような意味のグループを作る」ことが大事なのです。
2. 品詞で見分ける
次に、「似たような単語」を取り上げます。
She kept( silent, silence, silently )during the meeting.
ここでは「接尾語」に注目します。一部の例外を除き、原則として次のルールがあてはまります。
・“silent”のように-entが付く場合は「形容詞」
・“silence”のように-enceが付く場合は「名詞」
・“silently”のように-lyが付く場合は「副詞」
上の英文は「彼女は会議の間、沈黙したままだった」です。
keepの後ろには補語が来ます。補語は「名詞または形容詞」です。これで副詞の“silently”は除外されます。
次に文型で考えます。“She kept+補語”はSVCです。
SVCは「第2文型」で、その特徴はVをbe動詞に変えることができ、さらにS=Cを作ります。
・She=silent(彼女=沈黙した)
・She=silnce(彼女=沈黙〈というモノ〉)
答えは形容詞“silent”ですね。
この「品詞による見分け」はTOEICのPART5では頻出パターンです。たとえ英文の意味や与えられている単語の意味が分からなくても、接尾語を手掛かりに品詞を見抜くことができるからです。
3. 自動詞か他動詞かで見分ける
最後に「自動詞」「他動詞」を取り上げます。
英検に頻出なのが“raise”“grow up”です。
She( raised, raised up )the child.
「彼女はその子供を育てた」
“raise”は「他動詞」です。他動詞の場合は動詞の後ろに直接名詞を持ってきます。つまり、“up”のような副詞は挟みません。
ですので、答えは“raised”です。
She was( raised, grown up )by her grandmother.
「彼女は祖母に育てられた」
答えは“raised”です。“grow up”は「〈主語が〉育つ」という意味の自動詞で、そもそも目的語を必要としません。ですから、「受動態が存在しない」ということになります。